サーチコンソールに所有者を追加したのに相手の一覧に出ないとき|権限の付与とプロパティの追加は別操作である仕組みと、確認ファイルを消さない引き継ぎ手順
サーチコンソールに所有者を追加したのに相手の一覧に出ないとき|権限の付与とプロパティの追加は別操作である仕組みと、確認ファイルを消さない引き継ぎ手順
制作会社や社内の担当者がサーチコンソール(Googleが無料で提供している検索実績の確認ツール)にサイトを登録し、別のGoogleアカウントを「所有者」に追加した。ところが追加された側がログインしても、プロパティ(サーチコンソールに登録したサイトの単位)の一覧にそのサイトが出てこない。店舗オーナーへの引き継ぎや、担当者の交代の場面で起きる食い違いです。
先に結論を書きます。
- 権限を付与する操作と、相手の一覧にプロパティを並べる操作は、別のものとして考えます。 当社では、APIや自動化ツールで所有者を追加したケースで、相手の一覧に自動で並ばないことを2件確認しています。
- 追加された側が「プロパティを追加」から同じ種類・同じURLを入力すると、確認作業なしで所有権が自動確認されて一覧に出ました。 ファイルの設置もDNSの設定も不要でした。画面から追加してもらったのに一覧に出ない場合も、同じ手順で確かめられます。
- それでも出ないときは、①ログイン中のアカウント ②プロパティの種類(ドメインかURLプレフィックスか)③URLの書き方 ④付与された権限 ⑤付与した側の所有権、の順に確かめます。
- 引き継ぎで一番大事なのは、所有権の元になっている確認ファイル(またはDNSレコード)を消さないことです。 確認済みの所有者が1人だけのサイトでその確認が外れると、猶予期間の後に、権限を渡された所有者やユーザーも見られなくなります。
以下、仕組み、実測例、手順の順に説明します。
サーチコンソールの「所有」は3つの操作に分かれている
混乱の原因は、画面上では一続きに見える作業が、実際には別々の操作だという点にあります。
| 操作 | 何が起きるか | 誰が行うか |
|---|---|---|
| 所有権の確認 | 確認ファイル・HTMLタグ・DNSレコードなどを置き、Googleが「このサイトの持ち主」と認める | サーバーやドメインを触れる人 |
| 権限の付与 | 確認済みの所有者が、別のGoogleアカウントを所有者やユーザーに加える | 確認済みの所有者 |
| 一覧への追加 | 自分のサーチコンソールのプロパティ一覧に、そのサイトを並べる | 権限を受け取った本人 |
Googleの公式ヘルプでは、所有者は2種類に分けられています。確認用の情報(ファイルやDNSレコードなど)を自分で置いて証明した「確認済み所有者」と、確認済み所有者から権限を渡された「委任された所有者」です。このほか、ほぼすべてのデータを見られる「フル権限ユーザー」、主なデータの閲覧に限られる「制限付きユーザー」があります。
別のアカウントを所有者に追加した場合、追加された側は「委任された所有者」になります。権限そのものは付与の時点で有効でも、自分の一覧に並べる操作は本人の側で必要になることがある、と考えておくと、引き継ぎの連絡で迷いません。
実例:所有者に追加したのに一覧に出ず、本人の追加で自動確認された
当社で実際に確認した2件を紹介します。どちらも、所有権の確認を管理用のアカウント(自動化用の専用アカウント)で済ませ、そのあとGoogleのAPI(プログラムから操作する窓口)で担当者本人のGoogleアカウントを所有者に加えたケースです。
1件目は、美容関連の商品ブランドのランディングページです。確認ファイルをサイトのトップ階層に置いて所有権を確認し、APIで担当者のアカウントを所有者に追加しました。APIの側では所有者として登録されていることを確かめましたが、担当者がサーチコンソールを開いても一覧には出てきません。担当者が「プロパティを追加」からURLプレフィックスで同じURLを入力したところ、確認ファイルの設置を求められることなく「所有権を自動確認しました(確認方法:不明)」と表示され、一覧に並びました。
「確認方法:不明」という表示は、本人が自分で確認用の情報を置いたわけではないためだと考えられます。登録先を間違えていたわけではなく、権限はすでに有効で、一覧への反映が追いついていなかった、または一覧に並べる操作が残っていた、のどちらかと考えられます。当社の2件では、どちらも本人がプロパティを追加した時点で解決しました。
2件目は、屋号を変更して新しいホームページを公開した美容室です。こちらも同じ手順で所有者を追加し、同じく本人の一覧には出ませんでした。担当者が画面から「プロパティを追加 → URLプレフィックス」で自動確認を済ませ、そのままブログ記事のインデックス登録をリクエストしています。当社が使っているSearch ConsoleのAPIには、インデックス登録をリクエストする機能がありません(URL検査のAPIは状態を調べるだけです)。登録のリクエストは画面から行うため、所有者の画面にプロパティが出ている状態は実務上も必要です。
公式ヘルプには、この挙動に近い仕組みと読める記述もあります。削除したプロパティは、確認済みの所有者が1人でも残っていれば、確認なしで再追加できる、というものです。確認済みの所有者がいるプロパティは、権限を持つ人が一覧に加えるときに改めて確認を求められない作りになっていると読めます。
追加された側の手順(一覧に出ないとき)
所有者に追加されたのに一覧に出ない場合は、本人が次の手順で操作します。
- 権限を付与されたGoogleアカウントでログインしているか確かめる。 個人のGmailと会社のアカウントを使い分けていると、別のアカウントで開いていることがよくあります。画面右上のアイコンで確認します
- 左上のプロパティ選択から「プロパティを追加」を開く。
- 付与されたときと同じ種類を選ぶ。 付与した側に「ドメインですか、URLプレフィックスですか」と聞いてから選びます
- 同じURLを、同じ書き方で入力する。 URLプレフィックスの場合、
https://とhttp://、wwwの有無、/blog/のような下の階層の有無で、別のプロパティとして扱われます - 「所有権を自動確認しました」と出れば完了。 確認ファイルのダウンロード画面やDNSの設定画面が出た場合は、何も設置せずに画面を閉じます。主な原因は種類かURLの違いです。ログイン中のアカウントも含め、次の表の順に確かめます
種類やURLが違ったまま手順5の確認画面で確認を進めると、付与されたものとは別のプロパティができるだけで、元のプロパティは一覧に出ないままです。付与した側と「種類」と「URLの書き方」を文字で突き合わせるのが早道です。
それでも出ないときの確認順
| 順番 | 確認すること | 見分け方 |
|---|---|---|
| 1 | ログイン中のGoogleアカウント | 付与されたメールアドレスと一字一句同じか |
| 2 | プロパティの種類 | ドメイン(example.com)かURLプレフィックス(https://example.com/)か |
| 3 | URLの書き方 | https/http、www の有無、下の階層の有無 |
| 4 | 付与された権限 | 所有者か、フル権限・制限付きのユーザーか。ユーザーとして付与されていて所有者が必要なら、付与した側に権限の変更を頼む |
| 5 | 付与した側の所有権 | 付与した人(または確認に使ったアカウント)が、まだ確認済み所有者のままか |
2番目の種類の違いは、プログラムからデータを読む場面でも同じ形で表れます。サーチコンソールの権限はプロパティごとに付与されるため、ドメインプロパティに付与された権限で、URLプレフィックスのプロパティを指定してデータを取りに行くと、「権限がない」という応答が返ります。当社の自社サイトの分析でも、指定をドメインプロパティに合わせることで読めるようになりました。また、API経由の読み取りでは、付与の直後の数分間、読める・読めないが入れ替わることがありました(当社実測)。
公式の開発者向け資料でも、所有者の一覧は「このプロパティの直接の所有者」だけで、上位のドメインの所有者は含まれない、と書かれています。ドメインとURLプレフィックスは、同じサイトを指していても別のプロパティとして扱われる、と覚えておくと取り違えを防げます。
確認ファイルを消さない引き継ぎ手順
一覧に出るようになったら終わり、ではありません。引き継ぎでより重いのは、所有権の土台を守ることです。
公式ヘルプには次のように書かれています。
- 確認ファイルをサイトから削除すると、所有権の確認が外れる
- サーチコンソールは確認用の情報が残っているかを定期的に確かめ、確認できなくなると通知したうえで、猶予期間の後に権限が切れる
- 確認済みの所有者が全員いなくなると、残りのユーザーと委任された所有者も、猶予期間の後にアクセスできなくなる
- DNSで確認した場合も、確認が通った後にDNSレコードを消してはいけない
つまり、制作会社が置いた確認ファイル1つだけが確認済み所有者の根拠になっている状態では、そのファイルが消えると、猶予期間の後にオーナーも見られなくなります。引き継ぎは次の順で進めると安全です。
1. オーナー自身も「確認済み所有者」になっておく
委任された所有者のままにせず、オーナーのアカウントでも確認用の情報を置きます。公式ヘルプでは、複数の人が同じプロパティを、同じ方法または別の方法で確認できるとされています。同じ方法を使う場合は、他の所有者の確認用の情報を上書きしないよう注意します。
オーナー側でサーバーやドメインの管理画面を触れない場合は、分担すると進みます。当社で担当した住宅設備サービス会社のサイトでは、お客様がご自身のアカウントでURLプレフィックスのプロパティを作り、確認ファイルを当社へ送っていただきました。当社はそのファイルを設置し、送られたファイルとサーバー上のファイルの中身が完全に一致すること、Googleの巡回ロボットと同じ条件でアクセスしても正常に開けることを確かめてから、お客様に「確認」ボタンを押していただく形にしました。DNSの管理画面は二段階認証の都合ですぐに操作できなかったため、ドメインプロパティ(DNSで確認)ではなくこの方法を選んでいます。所有権がお客様のアカウントに最初から残る分担です。
2. 確認ファイルの名前を引き継ぎ書類に書く
確認ファイルは google で始まり .html で終わる、見慣れない名前のファイルです。サイトのリニューアルやサーバー移転でトップ階層を片付けるとき、中身の分からない不要ファイルとして消されやすい場所にあります。ファイル名と「消すと所有権が外れる」という一文を、納品書や引き継ぎ書類に残しておきます。
3. サーバー移転やリニューアルのときは、確認ファイルも一緒に移す
新しいサーバーに移すファイルの一覧に、確認ファイルを入れます。公開後にブラウザで https://サイトのURL/googleから始まるファイル名.html を開き、表示されることを確かめます。
4. DNSで確認する場合は、全部のネームサーバーに入ってから押す
ドメインプロパティはDNSでしか確認できません。レンタルサーバーによっては、DNSに追加した値が複数のネームサーバー(ドメインの住所録を配るサーバー)に行き渡るまで時間差があります。当社が扱ったサーバーでは、追加の直後は1台にしか値が入っておらず、その状態で「確認」を押すと失敗します。すべてのネームサーバーに値が入ったことを確かめてから押すのが確実です。
起こりうるリスクと予防
- 「所有者に追加しました」の連絡だけで引き継ぎを終える:相手の一覧に出ず、問い合わせの往復が発生します。付与した側が、相手の画面に出たところまで一緒に確かめるのが予防策です
- 種類違いで付与する:付与した側はドメイン、受け取る側はURLプレフィックス、という食い違いは気づきにくいものです。付与の連絡には、種類とURLをそのまま書きます
- 制作会社との契約終了とともに確認ファイルが消える:オーナーが委任された所有者のままで、他に確認済み所有者がいなければ、猶予期間の後にサーチコンソールを開けなくなります。契約中にオーナー自身の確認を済ませておきます
- 退任した担当者の所有権を残し続ける:公式ヘルプでは、所有者を外すときはその人の確認用の情報も削除するよう案内されています。残したままだと、再確認されて権限が戻る余地が残ります
納品時に受け取っておくべきものの全体像はホームページ納品後に自分でどこまで更新できるか、制作会社を変えるときの引き継ぎ項目は制作会社を変えるときサイトの何を引き継ぐかで整理しています。新しいサイトをサーチコンソールに登録する最初の手順は、ホームページを新しくしたのに検索で出てこないときを参照してください。
よくある質問
Q. 所有者とフル権限ユーザーのどちらで追加してもらえばよいですか
A. サイトの持ち主である店舗オーナーは所有者が基本です。所有者は他のユーザーの追加や削除ができます。フル権限ユーザーはデータの閲覧と一部の操作ができますが、所有者の管理などはできません。制作会社や外部の分析担当は、作業に必要な範囲でフル権限か制限付きにしておくと、権限の整理が楽になります。
Q. 一覧に出るまで待てば、いずれ表示されますか
A. 待って解決するとは限りません。当社の実例では、本人が「プロパティを追加」をした時点で一覧に出ました。数分待って出なければ、本記事の手順で本人が追加する方が確実です。
Q. 自動確認された後、確認方法が「不明」のままでも問題ありませんか
A. 閲覧や操作には支障ありません。ただし、確認済みの所有者がいなくなると、猶予期間の後に見られなくなる可能性があります。長く使うサイトなら、自分でも確認用の情報を置いて確認済み所有者になっておくと安心です。
まとめ
- サーチコンソールの「所有」は、所有権の確認・権限の付与・一覧への追加の3つに分けて考える
- 所有者に追加されても一覧に出ないときは、本人が「プロパティを追加」から同じ種類・同じURLを入力する。当社の実例では、確認なしで自動確認された
- 出ないときは、ログイン中のアカウント → プロパティの種類 → URLの書き方 → 付与された権限 → 付与した側の所有権、の順に確かめる
- 確認ファイルやDNSレコードを消すと所有権が外れる。確認済み所有者が他にいなければ、権限を受けた人も猶予期間の後に見られなくなる
- 引き継ぎでは、オーナー自身も確認済み所有者になり、確認ファイルの名前を書類に残す
検索結果の数字の読み方については、サーチコンソールで平均掲載順位1位なのに検索しても上に出ないときもあわせてご覧ください。