Google検索広告なのに費用の半分がディスプレイに出ていたときの直し方|配信先の内訳を見て拡張を止め、地域を「実際にいる人」へ絞る店舗向けの設定
Google検索広告なのに費用の半分がディスプレイに出ていたときの直し方|配信先の内訳を見て拡張を止め、地域を「実際にいる人」へ絞る店舗向けの設定
「検索広告」として作ったキャンペーンでも、Google広告では検索結果以外の場所に広告が出ることがあります。キャンペーン設定の「ネットワーク」で、ディスプレイネットワーク(提携しているWebサイトやアプリの広告枠)を含める設定がオンになっている場合です。
来店型の店舗が検索広告を出す目的は、「地域名+メニュー名」で今まさに店を探している人に見つけてもらうことです。そのため、検索キャンペーンの直し方は次の4点が基本になります。
- まず配信先(ネットワーク)別に費用を分けて見ます。 合計の数字だけでは、ディスプレイに流れている分が見えません。
- 検索キャンペーンのディスプレイ拡張はオフにします。 キャンペーン設定の「ネットワーク」で、ディスプレイネットワークを含める項目のチェックを外します。ディスプレイに出したいなら、目的を決めて別のキャンペーンで出します。
- 地域のオプションは「所在地」を基本にします。 商圏の外に住む人に「関心」で表示される分を止め、来たい地域は地域リストに明示的に足します。
- 来店につながらない語句は、広告グループや語句単位で止めます。 他店名との比較や、店の主力メニューと検索意図がずれる語句がこれに当たります。
以下、名古屋の美容サロンFCのある店舗で、2026年9月に検索キャンペーンを直したときの数字をもとに説明します。日予算500円、直近30日の費用が8,946円(表示23,725回・クリック337回)の、小さな店舗広告です。
直す前の内訳:費用の約53%がディスプレイだった
このキャンペーンを配信先別に分けると、次のようになっていました(直近30日)。
| 配信先 | 費用 | クリック |
|---|---|---|
| Google検索 | 4,210円 | 99 |
| ディスプレイネットワーク | 4,736円 | 238 |
| 検索パートナー | 0円 | 0 |
費用の約53%、クリックの約7割がディスプレイ側です。ディスプレイはクリック単価が安く(この例では1クリック約20円。検索は約43円)、クリック数が多く見えるため、合計だけを見ていると「よく回っている広告」に見えます。
もう一つの手がかりはクリック率(表示された回数のうち、クリックされた割合)でした。このキャンペーンのクリック率は約1.4%で、同じアカウントで動いていた他店舗の検索キャンペーンは5〜10%でした。ディスプレイの表示回数が合計に混ざると、クリック率は下がって見えます。検索広告なのにクリック率が極端に低いときは、配信先の混在を疑うのが一つの目安です(地域や語句の広さでも下がるので、内訳で確かめてから判断します)。
配信先の内訳を見る手順
管理画面の表示は時期によって変わることがあるため、考え方として書きます。
- 対象の検索キャンペーンを開き、キャンペーン単位の表を表示する
- 表の「分割」(セグメント)から「ネットワーク」を選ぶ
- 「Google検索」「検索パートナー」「ディスプレイネットワーク」の行ごとに、費用とクリックを確かめる
期間は直近30日が目安です。7日では少額の店舗広告は数字がぶれやすく、90日だと設定を変えた時期が混ざります。
ディスプレイ拡張を止める
キャンペーン設定の「ネットワーク」で、ディスプレイネットワークを含める項目のチェックを外します。Googleのヘルプでは、検索キャンペーンでディスプレイネットワークを含めると、検索だけでは予算を使い切れないと見込まれる場合に、残りの予算がディスプレイネットワークで使われることがある、とされています。日予算が小さく、地域を絞った店舗広告ほど「検索だけでは使い切れない」状態になりやすいので、設定がオンのままだとディスプレイの割合が大きくなりがちです。
止めたあとに起こることを、先に理解しておくと慌てずに済みます。
- 表示回数とクリック数は大きく減ります。 ディスプレイに出ていた分が消えるだけなので、問題ではありません。
- 日予算を使い切らなくなることがあります。 検索だけで消化できる量に戻ったということです。ここで予算を上げたり、ディスプレイを戻したりする必要はありません。消化を増やしたいなら、来店につながる語句を足すほうが先です。
- クリック単価は上がって見えます。 安いディスプレイのクリックが抜けるためで、検索1クリックの単価が変わったわけではありません。
なお、ディスプレイ広告そのものが悪いわけではありません。認知を広げたい、既存客にもう一度見てもらいたいといった目的があるなら、画像や配信先を目的に合わせて作った別のキャンペーンで出します。検索用の広告文が、検索していない人の画面にそのまま出ている状態が問題です。
地域のオプションを「所在地」に絞る
ディスプレイの次に見るのが、キャンペーン設定の「地域」の中にある「地域のオプション」です。選択肢は大きく2つあります。
| 設定 | 広告が出る人 |
|---|---|
| 所在地やインタレスト(既定のおすすめ) | 対象地域にいる人、定期的にいる人に加えて、対象地域に関心を示している人 |
| 所在地 | 対象地域にいる人、定期的にいる人 |
Googleのヘルプでは「所在地やインタレスト」が既定のおすすめとされ、「所在地」は特定の地域にいる人だけを対象にしたい場合などに使う設定と説明されています。来店が前提の店舗は、多くの場合後者に当てはまります。商圏の外に住んでいて、たまたま商圏の地名で調べた人に費用を使っても、来店にはつながりにくいからです。
実例のアカウントでは、検索キャンペーン6本のうち5本が「所在地やインタレスト」のままで、地域別の集計では費用の約6%が隣の県の2つの市に使われていました。冒頭の店舗のキャンペーンでは、地域リストの5地域はそのままで、オプションだけを「所在地」に変えました。
来てほしい地域は「関心」に任せず、地域リストに足す
注意したいのは、「所在地」に絞ると、本当に来てほしい隣接地域まで外れる場合があることです。この店舗では、商圏が市境をまたいでおり、オーナーからも隣接地域に広げたいという希望がありました。そこで、関心で拾われる状態に任せるのではなく、隣接する市と町を地域リストに明示的に追加し、「隣の市名+メニュー名」のような地名入りの語句もフレーズ一致で足しています。
判断の基準は単純です。来店が見込める地域は地域リストに入れる。入れていない地域に出る分は、原則として止める。 こうしておくと、地域レポートを見たときに「狙って出した費用」と「漏れた費用」を区別できます。
来店につながらない語句を止める
配信先と地域を直したら、最後に語句(キーワード)と検索語句を見ます。実例では次の2つを止めました。
| 止めたもの | 直近30日の費用・クリック | 止めた理由 |
|---|---|---|
| 他ブランドとの比較を狙った広告グループ | 1,351円・39クリック | 費用を自店と近隣の白髪染め需要に集めるため |
| カット関連の語句4件(「白髪染め カット 安い」など) | 約1,960円・42クリック | 白髪染めを主力にする店舗の検索意図とずれるため |
どちらも削除ではなく一時停止にしています。あとで必要になれば有効に戻すだけで済み、過去の数字も残るためです。代わりに、店舗のある市名を入れた「市名+白髪染め」「市名+ヘアカラー専門店」をフレーズ一致で追加しました。消化が減った分を、来店に近い語句に回す考え方です。
語句の一致の種類や、除外キーワードの入れ方についてはリスティング広告の部分一致で予算が溶ける仕組みで詳しく書いています。
変更するときの手順と確かめ方
変更は、次の順番で進めるのがおすすめです。
- 変更前の数字を控える。 直近30日の配信先別・地域別・語句別の費用とクリックを保存しておく。あとで比べる基準になります。
- 漏れを止める変更と、それを埋める追加までにとどめる。 ディスプレイ拡張・地域のオプション・来店につながらない語句を止め、地名入りの語句や来てほしい地域を足すところまでにします。日予算・広告文・リンク先は同じ日に触りません。
- 変更後に設定を開き直して確かめる。 保存したつもりで反映されていない、別のキャンペーンを変えていた、という食い違いを防ぎます。
- 7〜14日後に変更前と比べる。 見るのは、ディスプレイの費用が0円になったか、地域別の費用が地域リストの中に収まっているか、検索語句に来店と関係の薄い語が残っていないか、の3点です。
実例の店舗でも、日予算・広告文・リンク先は変えずに1〜3を行い、4の比較は本記事の時点で計測中です。日予算や広告文を同じ日に変えると、数字が動いても何が効いたのか分からなくなります。入札や広告文の改善は、比較の結果を見てから手を付けるのが安全です。
成果は管理画面の「コンバージョン」だけで判断しない
店舗広告では、管理画面のコンバージョン(成果)が0のまま、という状態がよくあります。実例のキャンペーンも、直す前の時点でGoogle広告上のコンバージョンは0でした。ただ、これは成果がないことと同じではありません。電話や地図アプリでの経路検索、予約サイト経由の予約は、設定によっては管理画面の成果に数えられていないことがあります。
そのため、効果を見るときは店舗側の記録と並べます。この店舗では、新規客に「何で知ったか」を聞いた記録があり、月ごとのクリック数と「Googleで見つけた」新規客数を並べると、よく連動していました。設定を直したあとも、クリック数の増減と店舗側の新規客数を同じ表で追うのが現実的です。コンバージョンが0のときの確かめ方は店舗のGoogle広告でコンバージョンが0のままのときにまとめています。
起こりやすい見落とし
- 新しく作ったキャンペーンで、ディスプレイ拡張がオンになっている。 作成画面の初期設定に任せると、ディスプレイを含める状態で始まることがあります。新規作成時に「ネットワーク」と「地域のオプション」を確認する項目を、手順書に入れておくと防げます。
- 複数店舗のキャンペーンを複製して作ると、設定もそのまま複製される。 1本が「所在地やインタレスト」なら、複製したすべてが同じ状態になります。直すときは全キャンペーンをまとめて確認します。
- 数字が減ったことを「悪化」と受け取ってしまう。 表示回数やクリック数が減るのは、漏れていた分が止まった結果です。オーナーや社内に報告するときは、変更前に「表示とクリックは減る見込み。見るのは新規客数」と伝えておくと、誤解されにくくなります。
月1回の点検で他にどこを見るかは、店舗のGoogle広告・Meta広告を月1回点検する項目に一覧でまとめています。
まとめ
- 検索キャンペーンでも、ネットワーク設定でディスプレイを含めていると、費用の半分近くがディスプレイに使われることがある。実例では直近30日の費用8,946円のうち4,736円(約53%)だった
- まず「分割」でネットワーク別の費用を見る。検索広告なのにクリック率が極端に低いときは、配信先の混在を疑う
- ディスプレイ拡張はオフにする。表示とクリックが減り、日予算を使い切らなくなっても問題ではない
- 地域のオプションは「所在地」を基本にし、来店が見込める隣接地域は地域リストに明示的に足す
- 他店名との比較や、主力メニューと検索意図がずれる語句は一時停止し、「市名+メニュー名」の語句に予算を回す
- 漏れを止める変更と、それを埋める語句・地域の追加までを同じ日に行い、7〜14日後に変更前と比べる。成果はクリック数と店舗側の新規客数を並べて見る
検索広告の設定を見直したいものの、どこから手を付ければよいか分からない場合は、お問い合わせからご相談ください。管理画面の閲覧権限をいただければ、配信先・地域・語句の内訳から漏れている箇所を確認します。