お知らせ・ブログ一覧へ戻る

店舗のGoogle広告でコンバージョンが0のままのとき|電話・経路・来店が「すべてのコンバージョン」側に記録されている構造と、確かめる順番


店舗のGoogle広告でコンバージョンが0のままのとき|電話・経路・来店が「すべてのコンバージョン」側に記録されている構造と、確かめる順番

店舗のGoogle広告でコンバージョンが0のままのとき|電話・経路・来店が「すべてのコンバージョン」側に記録されている構造と、確かめる順番

Google広告の管理画面を開くと、費用は毎月出ていくのに「コンバージョン」の列はずっと0。店舗の広告では、この状態のまま何か月も運用されていることが珍しくありません。0が続くと「広告が効いていない」「計測が壊れている」と考えがちですが、どちらとも限りません。

先に結論を書きます。

  • 「コンバージョン」列は、入札用の目標に入っている行動しか数えない。電話ボタン・経路案内・来店などの店舗向けの行動は、目標に入っていなければ「すべてのコンバージョン」列にだけ記録される
  • 最初にやるのは、表に「すべてのコンバージョン」列を足すこと。ここに数字が出ていれば「計測はできているが、数えていない」状態で、直すべきは目標の設定になる
  • 入札に入れてよい行動は、キャンペーンの種類で決まっている。検索キャンペーンでローカルアクションとして入札に使えるのは「経路」だけ。「通話ボタンをクリック」はP-MAX専用で、「ウェブサイトの訪問」「その他のエンゲージメント」は入札に使えない
  • 電話を検索広告の成果にしたいなら、電話番号アセットと「広告経由の通話数」の側を整える
  • 最後に、店舗の新規客数と月別に突き合わせる。管理画面の数字は予約数ではないので、店側の台帳で裏を取る

以下、実際に月約10万円・コンバージョン0だった店舗の検索広告を点検したときの数字をもとに、構造と手順を説明します。

「コンバージョン」列と「すべてのコンバージョン」列は数えている範囲が違う

Google広告のコンバージョンには、表に出る列が2種類あります。Google広告ヘルプの「コンバージョン目標について」には、次のように書かれています。

> キャンペーンを設定する際に、入札の対象となる目標を選択します。キャンペーンのコンバージョン レポート(具体的には [コンバージョン] 列と [コンバージョン値] 列)に、これらの目標が反映されます。

同じページでは、サブのアクションについて「入札単価の最適化に使用される [コンバージョン] 列から除外されますが、[すべてのコンバージョン] 列でトラッキングされ、レポートに表示されます」と説明されています。つまり、計測されていても、入札用の目標に入っていない行動は「コンバージョン」列には1件も出ないということです。

店舗の広告でこれが起きやすいのが、ローカルアクションと呼ばれる行動です。住所アセット(広告に店舗の住所を出す設定)が有効になっていると、広告を操作した人がその後に店舗の情報から「電話」「経路案内」などを押した回数を、Googleが自動で記録します。ヘルプ「ローカル アクションのコンバージョンについて」では、種類ごとに入札で使えるかどうかが決まっています。

ローカルアクション 何を数えるか 入札での利用
経路 「経路案内」「ナビ開始」のクリック 可(P-MAX・検索・ショッピング)
通話ボタンをクリック 店舗情報の「電話」のクリック 可(P-MAXのみ)
ウェブサイトの訪問 店舗情報の「ウェブサイト」のクリック 不可
その他のエンゲージメント 保存・写真・詳細などのクリック 不可
注文(一部の業種) 「注文」のクリック 不可
メニューの表示(一部の業種) 「メニュー」のクリック 不可

同じヘルプには「ローカル アクションは、Google 広告の [すべてのコンバージョン] 列で確認できます」とあります。目標に入れていない限り、これらは「コンバージョン」列に出ません。

実例:月約10万円・コンバージョン0の検索広告を点検した

点検したのは、複数店舗を持つ美容サロンのGoogle広告です。店舗ごとに検索キャンペーンを1本ずつ、計6本出していました。2026年8月25日〜9月23日の30日間の数字は次のとおりです。

  • 費用:約10万円(税抜)
  • クリック:3,025
  • コンバージョン:0件(6本すべて)
  • 入札戦略:6本とも「クリック数の最大化」

「コンバージョン」列だけを見ると、月10万円を使って成果が1件もない広告です。ところが、同じ期間の「すべてのコンバージョン」をアクション別に並べると、次のようになりました。

アクション コンバージョン列 すべてのコンバージョン列
経路(ローカルアクション) 0 430
通話ボタンをクリック(ローカルアクション) 0 130
来店(推定値) 0 102.3
ウェブサイトの訪問(ローカルアクション) 0 376
メニューの表示(ローカルアクション) 0 105
その他のエンゲージメント(ローカルアクション) 0 2,224

広告を操作(クリックなど)した人が、その後30日以内に店舗情報から(自然検索を経由した分も含めて)経路案内を430回、電話ボタンを130回押していました。「コンバージョン」列が0だった理由の一つは、記録されている行動の多くを「成果」として数える設定になっていなかったことです。「コンバージョン」列だけを見ると計測が外れたように見えますが、記録そのものは残っていました。

入札用の目標に入っていたのは、「広告経由の通話数」(電話番号アセットからの電話)と、ウェブサイト側に設定した「経路」の2つだけで、この30日はどちらも0件でした。なお、経路を目標に加えても「コンバージョン」列に入るのは経路の430件で、電話ボタンの130件は検索キャンペーンでは入札用の目標に入りません(理由は後述)。電話を数えるには別の仕組みを整える必要があります。

確かめる順番

同じ状態を疑うときは、次の順番で見ていくと、設定を変える前に原因を切り分けられます。

1. キャンペーンの表に「すべてのコンバージョン」列を足す

キャンペーン一覧の表示項目から「すべてのコンバージョン」を追加します。ここも0なら、計測そのもの(タグ・住所アセット・リンク先)を疑います。ここに数字があれば、次へ進みます。

2. コンバージョンアクションの一覧で、何が記録されているかを見る

「目標」→「概要」で、すべてのコンバージョンアクションを表示します。アクションごとに、①メインかサブか、②どのカテゴリ(電話のリード・経路・コンタクトなど)か、③直近の件数を確認します。住所アセットが有効なアカウントでは、ローカルアクションが「Google ホスティング」の目標として自動で作られているはずです。

3. キャンペーン単位の目標を見る

アカウント全体の設定とは別に、キャンペーンごとに目標を上書きできます。店舗ごとにキャンペーンを分けている場合、1本ずつ違う設定になっていることがあるので、全キャンペーンで確認します。

4. 入札戦略との関係を確かめる

「クリック数の最大化」のキャンペーンは、コンバージョンを見て入札していません。この場合、目標を変えても配信のされ方は変わらず、変わるのは表の見え方です。一方、「コンバージョン数の最大化」などの自動入札を使っている、またはこれから切り替える場合は、何を目標に入れるかが配信そのものを左右します。ヘルプでは、自動入札には標準で7〜14日の学習期間が必要で、その間に目標を頻繁に変えると学習がリセットされるとされています。

5. 入札に入れる行動を、キャンペーンの種類に合わせて決める

店舗の検索キャンペーンなら、判断は次のとおりです。

行動 検索キャンペーンでの扱い
経路(ローカルアクション) 入札用の目標に入れてよい
電話 電話番号アセットを付け、「広告経由の通話数」で数える(アセットが付いていないキャンペーンでは数えられない)
通話ボタンをクリック(ローカルアクション) 報告用に見る(入札に使えるのはP-MAXのみ)
ウェブサイトの訪問・その他のエンゲージメント 報告用に見る(入札には使えない)
予約完了 予約完了ページに計測を入れられるなら最優先で入れる

外部の予約システムにリンクしている場合、予約完了ページに計測タグを入れられないことがあります。そのときは、経路と広告経由の通話を当面の成果として置き、予約は次の手順で店舗側から確かめます。

6. 店舗の新規客数と月別に突き合わせる

管理画面の経路や電話の数は、あくまで「広告を操作した人が押した回数」です。予約や来店の数ではありません。店舗の売上日報や予約台帳で、来店経路が「Googleで見つけた」新規客の数を月別に出し、広告の数字と並べます。

今回の点検とは別に、同じサロンの1店舗で、2026年1〜9月の広告のクリック数と「Googleで見つけた」新規客数を月別に並べたところ、相関係数は0.81でした。クリックが多い月ほど、Google経由の新規客が多い関係です(9か月分のデータで、9月は途中までの集計です。「Googleで見つけた」には広告以外の地図検索・自然検索も含まれるため、目安として見ています)。管理画面のコンバージョンが0でも、店舗の台帳で広告と新規客の動きがそろっているなら、その広告は止める前に計測を直す対象です。

起こりうるリスクと、先に防ぐ設計

目標の設定を直すときは、次の点を先に決めておくと失敗を防げます。

「その他のエンゲージメント」を成果に混ぜない。 今回の例では2,224件と、ほかの行動より一桁多い数字でした。保存や写真の閲覧まで成果として見ると、広告の効果を大きく見誤ります。入札に使えない行動でもあるので、報告用にとどめます。

コンバージョンが0のまま自動入札に切り替えない。 数えている成果が0件の状態で「コンバージョン数の最大化」にすると、入札の判断材料がありません。先に目標を直し、「コンバージョン」列に数字が出ることを確かめてから切り替えます。

目標を足した日を記録しておく。 経路を目標に入れると、「コンバージョン」列の数字と単価が大きく変わります。過去の月と比べるときに設定変更の影響を取り違えないよう、変更日をメモに残しておきます。

経路の数を予約数として報告しない。 ヘルプによると、ローカルアクションは広告の操作後に店舗の自然検索結果から押された分も含み、既定の計測期間は30日です。広告がなくても来店した人が混ざりうるので、成果の報告は店舗側の新規客数とセットにします。

0件を理由に広告を止める前に、手順1を済ませる。 「コンバージョン」列だけで判断すると、実際には電話や経路案内を生んでいた広告を止めることになりかねません。広告費そのものの見直し方はGoogle広告の費用がいつの間にか増えていたときの棚卸しにまとめています。

まとめ

店舗のGoogle広告でコンバージョンが0のときは、次の順で確かめます。

  1. 表に「すべてのコンバージョン」列を足し、計測されているかを見る
  2. コンバージョンアクションの一覧で、メインかサブか・カテゴリ・件数を見る
  3. キャンペーン単位の目標を全キャンペーンで確認する
  4. 入札戦略が目標を使っているかを確かめる
  5. 検索キャンペーンなら「経路」と「広告経由の通話数」を成果に置き、入札に使えない行動は報告用にとどめる
  6. 店舗の新規客数と月別に突き合わせる

今回の例では、月約10万円の広告の裏で経路案内430件・電話ボタン130件が記録されていました。0という数字は「成果がない」ではなく、「何を数えるかが決まっていない」という意味であることがあります。計測の確認手順は広告の購入計測が取れているか確かめる手順、地域設定の見直しは地域の美容室がGoogle広告で失敗する理由もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 「通話ボタンをクリック」を検索キャンペーンの目標に入れられないのはなぜですか

Google広告ヘルプの提供状況の表で、「通話ボタンをクリック」の入札での利用はP-MAXキャンペーンのみとされています。検索キャンペーンでは、ローカルアクションのうち「経路」に基づく入札だけが利用できます。検索広告の電話は、電話番号アセットを付けて「広告経由の通話数」で数えるのが基本です。

Q. 来店の数字が小数になっているのはなぜですか

来店は、広告のクリックや表示の後に来店した人数を、Googleが匿名の集計データから推定した値として表示されます。今回の例でも102.3件と小数で出ていました。1件ずつの実数ではないので、店舗の台帳の来店数とは一致しません。傾向を見る数字として扱います。

Q. 目標を直せば、広告の成果は上がりますか

目標を直しただけで来店が増えるわけではありません。「クリック数の最大化」のままなら配信は変わらず、見え方が変わるだけです。成果を上げる工程は、目標を直して正しく数えられるようにしてから、地域設定・キーワード・表示オプションの見直しや入札戦略の切り替えを判断する、という順番になります。

関連記事

2026.10.04

発注の記録を月別に集計する表は元のシートと分けて作る|元データはIMPORTRANGEでつなぎ、月ごとのシートは「対象月」のセル1つで切り替える作り方と、件数・数量の検算

2026.10.04

多店舗の店舗一覧ページは地図とテキストの一覧を両方置く|県→エリア→ピンで選ばせる地図と、HTMLに最初から書いた店舗カードの作り方、公開前に電話・営業時間・予約先を突き合わせる手順

2026.10.03

実績の画面をSNSに載せるときの匿名化|市名だけ伏せても駅名・地名で店は分かる。店名は丸ごと置き換え、文字認識で実名の残りを機械的に照合する手順


お知らせ・ブログ一覧へ戻る